
積層セラミックコンデンサって何だろう?

そんな太郎さんのような
積層セラミックコンデンサを全く知らない人でも
最後まで読んで頂くと、
積層セラミックコンデンサが分かるようになりますよ。
どんな形なの?
積層セラミックコンデンサの形状は直方体です。(立方体のものもあります)
大きさ(サイズ)は?
2023年時点で最小の積層セラミックコンデンサは0.25㎜×0.125㎜です。

シャープペンシルの芯の太さが0.5㎜ですから、
世界最小の積層セラミックコンデンサは
芯の太さの半分くらいの大きさです。
肉眼で観察するのは厳しい大きさですね。
反対に最大の積層セラミックコンデンサは5.7㎜×5.0㎜です。

1円玉の半径が1㎝(10㎜)なので、
最大の積層セラミックコンデンサは
1円玉の1/4くらいの大きさですね。
積層セラミックコンデンサの種類
積層セラミックコンデンサは、
セラミック(誘電体)の種類によって2つに分けられています。
誘電体とは

誘電体という言葉は
あまり馴染みが無い方も多いと思いますので、
解説します。
誘電体とは、直流電圧を印加すると絶縁体(電気が流れない物質)なのに、交流電圧を印加すると導電体(電気が流れる物質)になる性質をもつ物質です。
積層セラミックコンデンサの誘電体は、
弱い誘電体の酸化チタンを使っている低誘電率系の積層セラミックコンデンサと、強い誘電体のチタン酸バリウムを使っている高誘電率系の積層セラミックコンデンサの2種類が存在します。
低誘電率系の積層セラミックコンデンサは電圧による容量変化が無く、温度による容量変化も小さく使いやすいのですが、誘電率が低いので大容量のものはありません。
主な用途は、温度保証用・高周波回路・フィルタ回路などです。
反対に高誘電率系の積層セラミックコンデンサは誘電率が高いので大容量なものもあるのですが、電圧や温度による容量変化が大きいので注意が必要です。
主な用途は、平滑回路・デカップリング回路などです。
積層セラミックコンデンサの特性上の注意点

積層セラミックコンデンサは
特有の注意するべき点がいくつかあります。
注意するべき点①:温度による静電容量の変化<高誘電体系MLCC>
高誘電率系の積層セラミックコンデンサは、使用しているセラミック(誘電体)に温度特性があるので、使用温度範囲内でも温度の変化に伴って静電容量が大幅に変化します。

高誘電率系の積層セラミックコンデンサを使う場合は、
想定される使用環境の温度範囲において
静電容量が変化しても機能上問題の無いような
製品設計が必要です。
注意するべき点②:経時の変化(エージング特性)<高誘電体系MLCC>
高誘電体系の積層セラミックコンデンサは、少しづつ誘電体の結晶構造が変化して、静電容量が変化してしまいます。
静電容量の低下は1000時間で約7%低下します。
加熱すると静電容量は元に戻る
約125℃以上になると変化していた誘電体の結晶構造が元にもどり、静電容量も元通りにもどります。

この結晶構造が元に戻る温度(約125℃)を
キュリー温度といいます。
注意するべき点③:DCバイアス特性<高誘電体系MLCC>
DCバイアス特性とは、積層セラミックコンデンサにDC(直流)電圧を印加することで、静電容量の低下する現象のこといいます。
印加する電圧が高いほど静電容量の低下は大きくなります。

DC電圧を印加すると電界が生じ、
誘電体の結晶構造に影響を与えるために、
静電容量が低下します。
如何でしたか?
積層セラミックコンデンサについて、少し理解して頂けたのではないでしょうか?
もっと積層セラミックコンデンサについて知りたい方へ

積層セラミックコンデンサの別記事もありますので、
是非、読んでみてくださいね。
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