純正のiPhoneのイヤホンは真っ白ですが、多くの家庭で保管していたイヤホンがピンク色に変色しています。

ピンク色にコードが変色したiPhoneのイヤホン
このような変色現象はiPhoneのイヤホンだけに起こる現象ではなく、電源コードやさまざまな樹脂(プラスチック)やゴムでも起こる現象です。
特に白い製品は変色が目立つので注意が必要です。

もし、イヤホンやコードなどが変色していても
大丈夫!!
この記事を読むと変色のメカニズムと元に戻す方法がわかります。
・ 元の色に戻した後も使い続けて大丈夫?
(性能は劣化していないの?)
・ 変色のメカニズムとは?
・ 変色しないために注意することは?

この記事は約5分で読むことができますよ
元の色に戻す方法
元の色に戻す方法は2つあります。
方法1.日光に当てる <所要時間:約1時間>
変色した箇所に日光や白熱灯の光を当てることで元の色に戻ります。
日光に当てる時間は強い日光であれば1時間もあれば十分です。
変色していたのが嘘のように元の白色に戻ります。
実験:日光を当ててみました
実際にピンク色に変色したiPhoneのイヤホンのコードの一部だけをアルミ製の袋から出して、日光を当ててみました。

アルミの袋から出した部分だけ日光を当てる
約1時間日光に当てた結果、
新品の時のように真っ白になりました。

1時間日光に当てたコード
光が当たらない陰になる部分は変色したままなので、光が当たるように向きを変えて、光を当ててあげる必要があります。

本当にきれいに元に戻りますよ
方法2.アルコールでふき取る <所要時間:30秒>
手指の消毒液のアルコール(エタノール水溶液)で湿らせた布を準備して、変色した面をふき取るときれいになります。
ポイントはアルコールです。水では効果がないので注意してください。
ピンク色に見える原因物質は水に溶けませんがアルコールや油には溶けるのです。
油でも変色は無くなりますが、ベトベトするのでアルコールをお勧めします。
実験 :アルコールでふき取ってみました。

アルコールでふき取る前の変色したコード
手指の消毒用に店頭に置いてあるエタノール水溶液で湿らせた布で軽く変色したコードをふき取ってみました。
軽くふき取った結果は以下の写真です。

アルコールで湿らせた布で軽くふき取った後
ふき取り難い段差の部分はまだ少しピンク色が残っていますが、ほとんどの部分は真っ白になりました。
日光を当てる方法よりも早く元に戻したい場合はアルコールが有効ですが、欠点は段差やスキマなどふき取り難い場所が残ってしまいムラことです。
細かなところは綿棒などにアルコールを含ませて丁寧にふき取りましょう。
変色を元に戻したものは使い続けても大丈夫?

大丈夫です。全く問題ありません。
この変色現象は表層部だけです。
だから、変色したものをそのまま使用しても機能上は全く問題ありませんし
光やアルコールで元に戻ったものも全く問題なく使うことができます。
変色のメカニズムとは?
今回の紹介した変色現象は「ピンキング現象」と呼ばれている現象です。
ピンキング現象とは
ピンキング現象とは、ピンクっぽい色に変化することから名づけられました。
ピンキング現象のメカニズム
通常、樹脂やゴムなどの高分子材料は経年で酸化してボロボロになることを防ぐために、酸化防止剤という化学物質を材料に混ぜていますが、酸化防止剤もさまざまな種類がある中でフェノール系の酸化防止剤を混ぜるとこの現象は起こりやすくなります。
フェノール系の酸化防止剤があると空気中にあるNOxガスやアンモニアガス、水蒸気と反応することでピンク色の物質(スチルペンキノン)が生成されるのです。
このピンク色の物質がピンキング現象の原因物質なのです。
日光や光を当てることで元の色に戻ることからもわかるようにこの化学反応は光の届かない暗所の方がより発生し易くなります。
NOx(ノックス)ガスとは
窒素原子(N)と酸素原子(O)が結合して生成される物質の総称です。

一酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)が
最も一般的なNOxガスだよ。
自動車(ガソリン、軽油)の排ガス、家庭のコンロやストーブ(都市ガス、プロパンガス、灯油等)など
燃料等を燃やすと必ずNOxガスが発生します。
したがって、一般家庭でもガスコンロや灯油ストーブなどを使っていると部屋の空気にはNOxガスが必ず存在します。
アンモニアガスとは
アンモニアと聞くとトイレを連想する方も多いと思いますが、
人間のし尿にはアンモニアは含まれていません。最初は・・・
し尿に含まれる尿素を養分に細菌がアンモニアを生成するのです。
人間の汗も同様に細菌が分解する過程でアンモニアを生成します。
したがって、人間がいる部屋にはアンモニアガスは必ず含まれているのです。
ピンキング現象を起こさないために注意すること
2)NOx、アンモニアガスと触れないようにビニール袋などに密閉して保管すること
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