ややこしくて専門知識が必要な電子部品の製造方法を3分クッキングのように短く!
そして分かりやすく解説する
園児の3分メイキングです。
今回の献立(電子部品)は、電子部品のミルクレープ「積層セラミックコンデンサ」です♪
でも、実際の積層セラミックコンデンサは作り始めてから完成するまでに約3カ月もかかります。
この記事ではとても簡単で家でも作れそうな表現にしていますが、実際には手間ひまかかるだけでなく、高性能な材料の開発力だけでなく、高い製造技術力も必要な部品な専門性の高い部品です。
今回の記事を読むことで、積層セラミックコンデンサの
大まかな製造フローを理解していただけると思います
積層セラミックコンデンサとは
積層セラミックコンデンサって何?って・・・
そんな方も大丈夫です。
先ず、積層セラミックコンデンサとは何か?
解説しますね。
積層セラミックコンデンサはどんな回路基板にも必ず実装されています。
写真はある回路基板の一部です。
積層セラミックコンデンサを赤い矢印で指し示してみました。
実装部品のおよそ半分が積層セラミックコンデンサです。
とても数多く使われていることがよくわかります。
身近な電気製品を例にすると、スマートフォンの中には
約500個程度の積層セラミックコンデンサが使われているのです。
積層セラミックコンデンサは四角い箱のような形をした小さな部品です。
この小さな積層セラミックコンデンサを割るとミルクレープのような断面になっています。
積層セラミックコンデンサのことをMLCCと表現している場合もあります。
積層セラミックコンデンサを英語で記すとMulti-Layer Ceramic Capacitorなので、頭文字をとってMLCCなのです。
それでは、
積層セラミックコンデンサを作ってみましょう。
これも読んでほしい♪
材料
・炭酸バリウム紛 … 適量
・酸化チタン粉 … 適量
・水 … 適量
・バインダー … 少々電極の材料
・金属ペースト … 適量外部電極の材料※
・銅 … 適量
・ニッケル … 適量
・スズ … 適量
作り方
①:ボールに「炭酸バリウム粉」「酸化チタン粉」「水」を入れてよく混ぜます。
②:よく混ぜた①を200℃のオーブンで数分加熱します。
焼きあがると「チタン酸バリウム」になります。
③:焼きあがった「チタン酸バリウム」をゴマすり器で細かくすり潰して、酸化チタンバリウムの粉にします。
※ポイント…この作業を丁寧に行い、細かい粉にするほど積層セラミックコンデンサの積層が、ち密に仕上がります。
④:微細化した「チタン酸バリウム粉」に「バインダー」を混ぜます。
⑤:クッキングペーパを敷いて、その上にドロドロの④を流します。
⑥:クッキングペーパーごと⑤を高温のオーブンで乾燥させます。
⑦:乾燥させた⑥の上に一部網目を埋めたガーゼを置いて、
「金属ペースト」をガーゼの上に流してヘラで伸ばします。
ガーゼ全面に金属ペーストが伸ばせたら、ゆっくりとガーゼを剥がします。
⑧:⑦で出来たシートのニッケル金属ペーストの模様が交互になるように重ねます。
※ポイント…シートを多く重ねるほど、完成した積層セラミックコンデンサの容量は大きくなります。
⑨:何枚も重ねたシートの上に漬物石を置いて、ゆっくりと押しつぶします。
⑩:押しつぶした⑨のシートをカットします。
⑪:カットした⑩を300~400℃のオーブンに入れて、ゆっくりと加熱し、
バインダーや水分をしっかりと揮発させて乾燥させます。
⑫:しっかりと乾燥させた⑪を1000~1200℃のオーブンでじっくり焼き上げます。
⑬:しっかりと焼きあがった⑫に外部電極を付けていきます。
まず最初は積層された電極を電気的につなぐ銅の液体に漬けて、付けます。
⑭:銅が付いたら、次は銅の上にニッケルを重ね塗りします。
ニッケルの液体に漬けて付けます。
※ニッケルを付けるのは、完成した積層セラミックコンデンサをハンダ付けする際にハンダに銅が溶けてしまうことを防止する役割があります。
⑮:ニッケルが付いたら、最後にスズを付けます。
スズの液体に漬けて付けていきます。
※スズを付けるのは、完成した積層セラミックコンデンサを半田付けをする際に、半田が付きやすいように半田の主成分であるスズを付けています。予備半田といいます。
⑯:完成!
これで積層セラミックコンデンサの完成です!
出来上がった積層セラミックコンデンサをカットしてみましょう。
まるでミルクレープのような綺麗な積層する電極が現れることでしょう。
どうでしたか?
小さくて高性能な部品でも料理に例えると製造方法が理解しやすかったのではないでしょうか?
ほかの部品も料理の手順で製造方法を解説する記事をアップする予定です。
何か部品のリクエストありましたら、コメント欄に記入お願いします。
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