恒温恒湿槽で行う環境試験。
日本の恒温恒湿槽はとても操作しやすいので、電子レンジで食べ物を温める程度の気軽さで試験サンプルを装置内に適当に入れて、試験開始ボタンを押している新人技術者をよく見かけます。
しかし、正確に環境試験を行うためにはノウハウやコツがあります。
今回の記事は、
環境試験を行う際に重要なノウハウを
教えちゃうね。
・環境試験をする新人技術者
・環境試験に興味がある方
5分程度で読めます。
最後まで読んでくださいね
試験サンプルのマーキングのノウハウ
環境試験を行う際には試験サンプルを区別できるように、試験サンプルに数字や記号を書いて、試験サンプルの識別を行います。
この試験サンプルに数字や記号を記す(マーキング)方法にもノウハウ、コツがあります。
今回は環境試験のコツのうち、
試験サンプルへのマーキングの
ノウハウをお伝えします。
シールを貼ってマーキングしてはダメ!
試験サンプルに数字や記号を書いたシールを貼り付けて、試験サンプルの識別を行う方法は多くの方が一度はやってしまう失敗です。
試験サンプルにシールを貼るのは絶対にやめましょう。
シールを貼ることがダメな理由を説明します。
1.シールの粘着剤は腐食や変色を誘発する。
シールの粘着剤にはさまざまな化学薬品が添加されています。
その化学薬品がサンプルに常に接触するだけでなく、高温や高湿度の環境に長時間晒されることによって、サンプルが金属材であれば腐食、樹脂材であればケミカルクラックや変色など試験のストレスとは全く別のシールの粘着剤が原因で故障が発生する場合があり、正しい試験結果が得られなくなります。
2.シールは湿り易いのでマイグレーションなどを誘発する。
シールの基材は紙の場合が多く、高湿度環境の試験を行うと、シールを貼った部分だけが常に濡れた状態になり、試験ストレス以上の試験条件になってしまいます。
プリント基板のような銅パターンの上にシールを貼ると、シールを貼った部分が常に濡れた状態になることにより、微弱な電流が電位差のある銅パターン間に流れ、極めて短期間に激しい腐食が生じることもあります。
試験サンプルのマーキングには、
絶対にシールは使わないようにしましょう。
マジックを使ってはダメ!
サンプルの識別にマジックを使うのはお勧めできません。
水性マジックは当然ですが油性マジックであっても、長時間、高温や高湿環境に晒されるとマジックが薄くなり書いてあった文字や数字が全く読めなくなるなります。
サンプルのマーキングに
マジックは使わないようにしましょう。
マーキングペンが一番おすすめ
金属、プラスチック、ガラス、石、木材等どんな材料でもペンで書くような手軽な感覚で文字を彫ることが出来るマーキングペンがお勧めです。
マーキングペンで書いた文字や数字が試験後に消えて読めなくなることも無く、サンプルが腐食しても識別することが出来ます。
筆者も過去にマーキングではいろいろな失敗を経験してきましたが、マーキングペンを使い始めてからマーキングの失敗は完全になくなりました。
マーキングペンが1本あれば非常に便利で重宝します。
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