
今回は、少し聞き慣れないけど、
実はとても重要な「ボールプレッシャー試験(Ball Pressure Test)」についてお話します。
名前を聞いただけで「スポーツか何か?」と思ったそこのあなた。
大丈夫です最後まで読んでいくうちに「あ、これ意外と面白いじゃん」となるはずです!
◆ そもそも「ボールプレッシャー試験」ってなんのためにあるの?
▶ 電気製品を安全に使うための“裏方ヒーロー”
ボールプレッシャー試験は、電気・電子部品やプラスチック部品の耐熱性(特に高温での変形しにくさ)をチェックするための試験です。
たとえば、プラグやスイッチの部品が真夏の炎天下や電気の熱でフニャッと変形してしまったら大事故のもと。
それを防ぐために「この部品、ちゃんと高温でも形を保てる?」を確かめるのがボールプレッシャー試験の役割です。
◆ ボールプレッシャー試験の内容をざっくりイメージ
試験内容は超シンプル。
例えるなら、「熱々の鉄球を、部品の上にギュッと押し当てて、形が変わらないかチェックする」という感じ。
▼ 試験の流れ(ざっくり)
試料(テストしたい部品)を加熱した環境(たとえば125℃)にセット
直径5mmのスチール球に20Nの力を加え、試料に押し当てる
20分後、冷やしてから跡がどれくらい残っているかを測定
つまり、「高温+圧力」というWパンチにどこまで耐えられるかを見る試験なんです。
◆ どこで使われてるの?なんで重要?
この試験は、IEC(国際電気標準会議)やJISなどの安全規格に含まれており、家電や電気設備の製品認証には必須の項目になっています。
具体的には:
コンセントやプラグ
スイッチのカバー部
絶縁材
LEDライトの筐体部品 など
これらがちゃんと安全に使えるかを見極めるために、ボールプレッシャー試験は欠かせないんです。
◆ ポイントまとめ!ここだけ押さえればOK
項目 | 内容 |
---|---|
試験目的 | 高温環境での形状保持性(変形しにくさ)の確認 |
試験条件 | 温度125℃、直径5mmの鋼球に20Nの力をかける |
判定方法 | 試験後に残ったくぼみの直径が2mm以下なら合格 |
使用される場面 | 電気製品の安全性評価・製品認証試験 |
◆ 試験の“ツボ”を技術者目線で見ると…
現場では、「使っている材料がこの試験をクリアできるかどうか」は設計段階から大きな関心ごと。
材料の選定ミス=NG部品=やり直し=納期遅延という悪夢につながりかねません。
また、同じプラスチックでも「色付き」や「添加剤の違い」で結果が変わることもあり、材料メーカーや設計者にとっても“侮れない試験”なのです。
◆ おわりに:地味だけど超重要な「安全の番人」
ボールプレッシャー試験は、一見すると地味ですが、
私たちが毎日使っている製品の“安全”を支える、縁の下の力持ちなんです。
「こんな地味な試験で、人の命を守ってるんだな」
そんな視点で見ると、ちょっとカッコよく思えてきませんか?
次に家電を使うとき、こっそりプラスチック部品を見てみてください。
もしかしたら、その部品、ボールプレッシャー試験をクリアしてきた“選ばれし素材”かもしれませんよ!
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