電化製品は電気を流すためなど多くの金属が使われているので
腐食して故障してしまうリスクがあります。
電気製品はデリケートなのです
電化製品の金属が腐食する原因は、腐食ガスが関係していることが多いです。
腐食ガスが多い場所
人間の鼻では全く感じないほどの薄い腐食ガスでも
家電製品は故障することがあるよ。
温泉地、下水処理場、製鉄所、ゴムや紙が多い場所
自動車の通行量の多い道路近く、地下駐車場、重油ボイラーや発電機が置いてある場所
レーザープリンター近く、高圧放電がある場所
トイレ、人や動物が多い場所
腐食ガス試験とは
家電製品など工業製品の腐食ガスに対する耐性を調べる試験を「腐食ガス試験」といいます。
腐食ガスの種類や想定される環境(屋内、屋外、特殊な環境)によって、
多くの種類があります。
JIS規格にある代表的な腐食ガス試験を以下の表にまとめました。
一般的な環境試験(高温放置試験など)は試験条件(腐食ガス濃度、温度、湿度、時間)を守れば、試料の数や大きさなどが変わっても同じ試験ができます。
一般的な試験の再現性は試験条件さえ同じにすれば良いのですが、腐食ガス試験は試料の数や大きさ、材質なども同じにしないと同じ試験になりません
なぜ?試験試料を同じにする必要があるのか?
腐食ガス試験は、試験試料と腐食ガスが化学反応(腐食)をさせること目的とした試験です。
試験試料をお腹を空かせた男の子とすると、
腐食ガスはおにぎりです。
腐食試験の条件が、腐食ガスの濃度がおにぎり6個の環境に試験試料(男の子)を2人いれた場合を考えてみましょう。
男の子はおにぎり(腐食ガス)を一人で3個食べることができるので、とても満腹(たっぷり腐食)になります。
次の試験条件を考えてみましょう。
おにぎり(腐食ガス)は同様に6個ですが、男の子(試験試料)が2人から6人に増えたとします。
その場合、男の子(試験試料)一人はおにぎりを1個しか食べられなくなりますので、
男の子は満腹にはならず不満顔です。(つまり、あまり腐食しない)
どちらの試験条件も腐食ガスの濃度(おにぎりの数)は同じですが、
そのおにぎりを食べる男の子(試験試料)の数が違うと試験の結果は全く違う結果に
なってしまうのです。
試料の数や大きさが同じであっても、材料が異なる場合も要注意です。
樹脂(プラスチック)自体が腐食ガスで腐食することはありません場合が、
樹脂内部に腐食ガスが吸着されて、腐食ガス試験のガス濃度を低下させる要因になるのです。
一方、一般的な環境試験は試験条件さえ同じであれば、試験試料の数や大きさは全く関係ありませんが(温度変化を伴う試験の場合を除く)
腐食ガス試験は、試験条件だけでなく試験試料の数や大きさ、材料の種類をまったく同じにすることが試験の再現性には重要です。
再現性の高い腐食ガス試験を行うために重要なことは、
温度や湿度、腐食ガスの濃度のような試験条件をきっちり守るのは当然ですが、
それに加えて試験試料の数や大きさ、材料なども同じにすることがとても重要です。
まとめ
・腐食ガス試験は試験条件(温度、湿度、腐食ガス濃度、時間)だけでなく、
試験試料(数、大きさ、材料)も試験ストレスに大きく影響するので、同じ時間で試験を完了させるためには双方の条件を同じにする必要がある。
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