加水分解しやすいプラスチック ウレタン樹脂の種類と注意点

太郎
太郎

加水分解しやすく注意が必要なプラスチックって

なんだろう?

走る園児
走る園児

加水分解するプラスチックと言えばやっぱり

ウレタン樹脂(ポリウレタン)」だね

加水分解し易いプラスチックといえば、ウレタン樹脂が有名ですね。

しかし、そんなウレタン樹脂は2種類あるのをご存じでしょうか?

そして、一方のウレタン樹脂はとても加水分解し易いけど、

残る一方はあまり加水分解しないのです。

走る園児
走る園児

今回はウレタン樹脂について解説しますね

この記事は5分くらいで読めますよ。
こんな方に向けて書きました。
・新人技術者
・プラスチックに興味がある方
・技術知識に興味がある方

ウレタン樹脂(ポリウレタン)とは

ウレタン樹脂は、ちょっと材料を変えるだけで、

柔らかくしたり反対に硬く強靭にすることもできる自由度のある便利なプラスチックです。

ウレタン樹脂の特徴(利点)は次のような内容になります。

<ウレタン樹脂の利点>
硬度、弾性に優れている
耐摩耗性、耐衝撃性に優れている
耐油、耐オゾン性に優れている

このような利点からウレタン樹脂は硬度や弾性、耐摩耗性など機械的特性が必要な製品に多く使われています。

<ウレタン樹脂を使った身近な製品の一例(用途)>
・靴底
・食器洗いのスポンジ
・ゴルフボール

残念ながら、利点があれば欠点もありますよね。
ウレタン樹脂の欠点も紹介します。

<欠点>
・加水分解し易い
不完全燃焼すると毒ガス(青酸ガス)がでる
銅害を起こし易い
価格が高い

ウレタン樹脂の最大の欠点加水分解を起こし易い性質があることです。

走る園児
走る園児

加水分解とは?いったい何でしょうか?

加水分解とは

樹脂が水と反応して酸とアルコールに分解されることをいいます。

加水分解を起こすと、ゴム状のウレタン樹脂は表面がベトベトになることが多いです。

ただし、硬質なウレタン樹脂はベトベトになるよりも、ひび割れてボロボロになることが多いです。

例えると、加水分解=腐る(くさる)とイメージすると分かり易いのではと思います。

走る園児
走る園児

加水分解したウレタン樹脂は腐って

ボロボロになるんだよ

なぜ?ウレタン樹脂が加水分解しやすいのかというと、

ウレタン樹脂は分子中に極性が多く存在するため親水性があり、

水が引っ付きやすい(吸水し易い)ので加水分解を起こし易いのです。

 

不完全燃焼すると青酸ガスが出る

青酸ガス(シアン化水素)は猛毒の毒ガスです。

万が一、ウレタン樹脂を燃やすときは注意してください。

出来るだけ家庭では燃やさないようにしましょう。

 

銅害を起こし易い

ウレタン樹脂は銅が苦手です。

ウレタン樹脂と銅が接触していると、銅が触媒的な作用によりウレタン樹脂を劣化させてしまいま

銅害を起こしたウレタン樹脂はボロボロになります

 

ウレタン樹脂の種類

ウレタン樹脂は、エーテル系ウレタン樹脂(EU)エステル系ウレタン樹脂(AU)の2種類あります。

主鎖がエーテル結合であるウレタン樹脂をエーテル系ウレタン樹脂(EU)と呼びます。

主鎖がエステル結合であるウレタン樹脂をエステル系ウレタン樹脂(AU)と呼びます。

これらのウレタン樹脂は特徴も異なります。

走る園児
走る園児

それぞれのウレタン樹脂の特徴を解説します。

エーテル系ウレタン樹脂(EU)

一般環境では加水分解を起こし難いただし、高温高湿環境やアルカリ性環境では加水分解する)
耐寒性、ゴム弾性はエステル系ウレタン樹脂(AU)よりも優れている
機械的強度はエステル系ウレタン樹脂(AU)よりも劣る。

エステル系ポリウレタン(AU)

加水分解を起こし易い
機械強度はエーテル系ウレタン樹脂(EU)よりも優れている

まとめ

ウレタン樹脂は2種類ある。

エステル系ウレタン樹脂(AU)加水分解し易いけれど、機械的強度はバッチリ

とにかく機械的強度が欲しい場合はエステル系ウレタン樹脂(AU)を選びましょう。

ただし、非常に加水分解しやすいので、加水分解しても大きな問題にならないことは確認した方が望ましいです。

 

エーテル系ウレタン樹脂(EU)加水分解し難い反面、機械的強度はエステル系ウレタン樹脂(AU)に比べて見劣りがある

機械的強度はそこそこ必要で、とにかく加水分解するとマズイ場合にはエステル系ウレタン樹脂(EU)を選ぶのが望ましいです。

走る園児
走る園児

ウレタン樹脂はエステル系ウレタン樹脂でも

加水分解が絶対に起こらないわけではありません。

エーテル系よりは起こり難い程度ですので、

あまり過信は禁物ですよ。


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