電流ヒューズとは? ガラス管ヒューズが断線する原理(メカニズム)

ヒューズとは

ヒューズは過剰な電流が流れた場合、自己を破壊することで回路や回路上の他の部品を守っている健気で頼れる部品です。

ヒューズの基本的な構造・原理を分かり易く解説しました。

技術者でない方でもヒューズとは何なのかを理解することができますので是非最後まで読んでくださいね。

ヒューズの構造

ヒューズには用途、仕様によって様々な種類がありますが、最もポピュラーなヒューズである「ガラス管ヒューズ」を例にヒューズの構造を解説します。

ガラス管ヒューズはガラス管の中に「可溶体」と呼ばれる普段は電流を流す導体部品が入っています。

この「可溶体」がヒューズの肝となる重要な部品なのです。

この可溶体は普段は導体として振舞っていますが、過剰な電流が流れると可溶体が溶けて断線するのです。

可溶体が溶けて断線することで回路には電流が流れなくなり、回路上の部品が過剰な電流で壊れたり発火するのを防いでくれます。

この可溶体が溶けてヒューズが断線することを、「ヒューズが飛ぶ」または「ヒューズが切れる」と言われています。

可溶体が溶けてしまったヒューズは再利用できませんので、再び回路に通電するためには新しいヒューズに交換してあげる必要がありますが、安易に新しいヒューズに交換するのは禁物です。

ヒューズが切れたということは通常ではありえない異常で過大な電流がヒューズに流れた証拠です。

この異常な電流が流れる原因を見つけて改善してから新しいヒューズに交換しないと、またヒューズが切れてしまいますのでヒューズの無駄使いになります。

ヒューズが断線する原理(メカニズム)

先ず、少し難しいと感じられるかもしれませんが、ヒューズが断線する原理を物理式を用いて説明します。

ょっと難しいなーと思われる方は読み飛ばしてください。

後半に絵を用いて分かり易く解説していますので、そちらから読んで頂ければと思います。

ヒューズが断線する原理(物理式の解説)

抵抗値Rの導体に電流Iを時間t 通電すると導体は発熱します。

この発熱をジュール熱と言い、下式で表すことができます。

この式の温度Tが導体の温度になります。

ヒューズの可溶体も電気を通す導体ですから、この式をそのまま使うことができます。

可溶体の温度Tが可溶体の融点を超えると可溶体が溶けてヒューズが切れるのです。

この式からもわかりますが、最も可溶体の温度Tに影響するのは2乗で可溶体温度Tに影響している電流Iですね。

電流が高いほど可溶体の温度は急激に高くなります。

ヒューズが断線する原理(図解)

ヒューズ(可溶体)に電流が流れると可溶体は発熱しますが、可溶体は全体が同じように発熱しているのですが、実際は可溶体の中央が最も熱くなります。

可溶体の中央が最も高温になる理由は、可溶体の発熱と同時に可溶体の放熱が起こっているからです。

ガラス管ヒューズの両端には「口金」や「はんだ」のような熱伝導性の高い金属部品が多くあり、それらの金属部品は回路につながっています。

そのため両端は放熱性が高いので可溶体の両端は温度が下がってしまうのです。

対して、可溶体の中央は両端の金属部品からも遠く、放熱し難いために中央部が温度が高くなるのです。

そして、可溶体の中央部の温度が可溶体の融点を超えると、可溶体が溶けて液体になります。

液体になると表面張力が働き、球状になり始めます。

 

更に溶けて液体になった可溶体が球体になり大きなギャップが生じることで、アークも含めた通電状態を完全に断ち切ります。

これがガラス管ヒューズが断線する原理(メカニズム)です。

走る園児
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基本的なヒューズの作動原理は理解できましたか?

ヒューズについては選定方法についても詳しく解説しています。 <電流ヒューズの選定手順について>


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この記事を書いた人
走る園児

京都の国立大学工学部卒
22歳:東証一部上場の大手電機部品メーカに入社
29歳:開発部の管理職
35歳:東証一部上場の大手家電メーカに技術者として転職
 専門は電気、機械、金属材料、高分子材料、統計学
 学会・講演会なども活動。
 特に故障原因の解析が何よりの好物!!

ランニングが趣味の園児(エンジニア)です。

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