そんな経験のある方は多いのではないでしょうか？

ピンク色に変色するトラブルはiPhoneのイヤホンコードだけではなく、

プラスチックやゴムで作られたものであれば何でも変色するリスクがあります。

特に白系のものはちょっとした変色でも目立つので注意が必要です。

元の色に戻す２つの方法

方法１ 日光にあてる

＜必要な時間：約1時間＞

日光をあてると元の色に戻ります。

１時間もあれば十分です。

変色していたのが嘘のように元の色に戻りますよ。

実験：日光で元の色に戻るか？

先ほどのピンクに変色したiPhoneのイヤホンコードにを使って実験しました。

アルミ袋から少しだけピンク色に変色したコードを出した状態のまま日光に当ててみました。

日光に当てた時間は約１時間です。

日光があたっていた部分は新品のように真っ白になりました。

日光をあてる方法の欠点

日光で元に戻す方法も欠点があります。

日光のあたっている面は元通りの色になりますが、

裏面は日光があたらないのでピンク色のままでした。

全面を元通りにするためには、

魚を焼くように、

裏返して全面に日光をあてる必要があります

方法２　アルコールでふき取る

＜必要な時間：約30秒＞

布に消毒用のアルコール（エタノール水溶液）をしみ込ませて、

ピンク色に変色したコードを拭き取ると一瞬できれいになります。

なぜ？アルコールで拭き取るときれいになるのか？

ピンク色の物質はアルコールや油に溶けるからです。

アルコールを含んだ布で拭き取ると、

ピンク色の物質が溶けだすのでコードの色がもとに戻ります。

油もピンクの物質を溶かす特性があるのですが、油でコードの表面が油でベトベトになるので、アルコールをお勧めします。

実験：アルコールで拭き取ると元の色に戻るか？

布に消毒用のアルコールつけて、変色したコードの表面を軽くふき取ってみました。

軽くふき取った結果は以下の写真です。

ふき取り難いすき間には少しピンク色が残っていますが、

ほぼ真っ白になりました。

アルコールで拭き取る方法の欠点

ただし、アルコールでふき取る場合には凸凹（でこぼこ）した面は、

どうしてもふき取れずピンク色が残ります。

綿棒などにアルコールを含ませて細かな箇所も丁寧な作業が必要です。

ピンクに変色したものや元の色に戻したものを使い続けても大丈夫？

ピンク色になる変色現象はコードの表層部だけに変色物質が付着しているだけなので、コードの素材自体が劣化しているわけではありません。

ピンクに変色したままで使用しても機能上は全く問題ありません

また、日光やアルコールで元に戻したものも全く問題なく使うことができます。

ピンクに変色するメカニズムは？

コードがピンク色になるような変色現象は、「ピンキング現象」と呼ばれています。

ピンキング現象とは

ピンキング現象とは、ピンクっぽい色に変化することから名づけられました。

ピンキング現象のメカニズム

通常、プラスチックやゴムなどの高分子材料は経年で酸化してボロボロになるので、酸化を防ぐために酸化防止剤という化学物質をプラスチックやゴムの素材に混ぜています。

酸化防止剤もさまざまな種類があり、フェノール系の酸化防止剤という酸化防止剤を使うとピンキング現象が起こりやすくなります。

フェノール系酸化防止剤がピンキング現象を起こすメカニズムは次の通りです。

フェノール系の酸化防止剤が空気中のNOxガスやアンモニアガス、水蒸気と反応するとピンク色の物質（スチルペンキノン）が生成されるのです。

このピンク色の物質（スチルペンキノン）がピンキング現象の原因物質なのです。

ピンク色に変色するメカニズムを説明しましたが、

もう少し、原因となるNOxガスやアンモニアガスについて説明します。

NOｘ（ノックス）ガスとは

窒素原子（Ｎ）と酸素原子（Ｏ）が結合して生成される物質の総称です。

自動車（ガソリン、軽油）の排ガス、家庭のコンロやストーブ（都市ガス、プロパンガス、灯油等）など

化石燃料を燃やすと必ずＮＯxガスが発生します。

一般家庭でもガスコンロや灯油ストーブなどを使っていると部屋の空気にはＮＯxガスが必ず存在します。

アンモニアガスとは

アンモニアと聞くとトイレを連想する方も多いと思いますが、

人間のし尿にはアンモニアは含まれていません。

し尿に含まれる尿素を養分に細菌がアンモニアを生成するのです。

人間の汗も同様に細菌が分解する過程でアンモニアを生成します。

人間がいる部屋にはアンモニアガスは必ず含まれているのです。

ピンキング現象を起こさないために注意すること